さあ伊勢神宮の参拝、足が痛くても一か八か行くか、諦めて引き返すかのところ。
正直、なんとか参拝できても帰りが地獄なのは見えてて戻りたいのが本音でしたが、ここまで来てお参りしないなんてのは相当悔しい。
カイムと合体し、あと一歩のところまでデビルマンを追い詰めたところで絶命したシレーヌの心情も、こんな感じだったのでないか。
いや、あのときのシレーヌはカイムの愛で心を満たされ清々しい表情で絶命していたから、この状況とは少し違うかもしれない。
いや、とりあえずデビルマンの話はどうでもいい。
なんとかして行きたい。
そうだ。
今までの人生にもこんなピンチは幾つもあった。
諦める前に考えるんだ。
理論的に考える。
どうしてくるぶしの下の部分が痛いのか。
そこが靴に当たって痛いから。
ということは、くるぶしが当たらなければ良いのだ。
ならば、踵に何か入れてくるぶしと靴の距離を取ればいいんだ。
踵に入れるもの。
クッション性のあるものがいい。
大橋亭「ゆっこ、ポケットティッシュ2つない?」
ゆっこ「・・・・ないっ!」
大「新聞とかは?」
ゆ「・・・・・ない!」
大「ハンカチは?」
ゆ「一枚なら。」
大「だよね。両足いるからね。駄目だね。」
ゆ「誰かに貰う?ポケットティッシュ。ポケティ。」
大「いやあ、なんかポケティ貰いにくいわー。」
こんかやりとりしながら、せめて平らなところを歩こうと、道の端っこの方の幅15センチくらいの砂利の無いところを冬ソナのサンヒョクよろしく歩いてゴマカシゴマカシ歩いていると、ゆっこが、
「あ、」
何か妙案が浮かんだところで、眠いので次回へ続きます。