尾原和啓さんのモチベーション革命を読んで。

尾原和啓さんの「モチベーション革命」を読了しました。

「稼ぐために働きたくない世代の解体書」ということで、今の若者に向けた本なんでありますが、今の若者が理解出来ないという中年以上の方にもおすすめの本。

 

アメリカの心理学者、マーティンセリグマンは人間の欲望は「快楽、達成、意味合い、良好な人間関係、没頭」の5つからなると唱えております。

団塊世代以前は前の2つ、「快楽」、「達成」を強く欲しました。

広い家が欲しい、いい車が欲しい、キレイな女性を抱きたい。

欲望への飢餓感が上昇志向へと繋がっていたわけです。

しかし今の30代以下は、生まれたころからすでに何もかも揃っていたので物や地位などを欲して頑張ることはない。

埋めるべき空白がないから、「乾けない」。

そんな「乾けない世代」は出世や金銭的な成功には反応しない。

セリグマンのいう、「快楽」、「達成」には興味がなく、それ以降の「意味合い」、「良好な人間関係」、「没頭」を重視する、ということなんですね。

「身体的、心理的、社会的な快楽」ではなく、「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人たち」と「とことんハマる」ことを重視する。

金銭や物理的な報酬とは関係なく「自分の好き」を追及する。

 

 

なるほどねえ。

どちらかと言うとワタクシの世代は団塊の世代寄り。

若いころはそれこそ家、車、服、そんなものを重視しておりました。

当然、今の若者もそうだろうと思って接してしまいがち。

しかしそうではないのですね。

 

社会やテクノロジーが進化しても、人間の身体の形はほとんど変わらない。

しかし、人間を突き動かすモチベーションの形というのは革命的に変わっている。

 

このモチベーションの変化を正確に把握しておかないと、ワタクシたちのような「渇いた世代」は、「乾けない世代」たちとうまくコミュニケーションを取っていけない、ということなんです。

 

この辺りを踏まえて考えると、なんとなく現代の若者との接し方が見えてきます。

大事なのは自分の価値観を押し付けるのではなく、生まれ育った環境など、その人の後ろにある全体像を把握して考えることだということなんでしょう。

 

そしてこれからAIの発達によって目まぐるしく変わる未来。

様々な仕事がロボットに置き換えられる未来においては、「乾けない世代」の「自分の好き」を追及するという価値観が、今まで以上に重要になってくる。

 

ワタクシたち「乾いている世代」も、硬い頭でいるとあっという間に現代に置いていかれてしまうでしょう。

 

ダーウィンの有名な言葉、「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最も適応したものである」。

 

肝に銘じて。

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