現実と演出と生きづらさと。

ちょっと時間が経っておりますが、13日の土曜日にケディでフライングドクターさん https://www.youtube.com/watch?v=hSjpj8cMZ80 とクースーさん

https://www.youtube.com/watch?v=ktL17YgWDhg

のライブがありました。

その時に開口一番をワタクシ大橋亭がやらせていただきました。

 

その話の前に、フラドクさんとクースーさん、ホントに素敵でした。

クースーさんは東京から、本来トリオ編成なんですが、サックスの方が遅れるとのことでギターとベースの2人編成で。

たった二人なのに二人とは思えない音の厚さ。(ボキャブラリーがなくてすいません。)

まあどんな感じかは動画でご確認いただくとして、とにかくホントに好みの音でした。

 

そしてフラドクさんです。

こちらはかわいい鍵盤奏者の女性4人組。皆さんプロということでかわいいだけじゃなく腕前もすごい。

しかも皆さんピアニカ、キーボード、ヴァイオリンにギターにウクレレ、さらにはカホンetc・・・

を弾きこなします。

楽しげで、そして音も素晴らしい。見ているだけで何とも言えずハッピーになります。

またぜひ観たい!フラドクさんは名古屋を中心に精力的に活動しておりますので皆様もぜひ。

 

そして大橋亭トリオですが。

今までも何度か落語させていただいておりますが、少なからず落語を聴きたい、という人がいらしたと思っております。(え?いましたよね?)

しかし今回はほとんどの方がフラドクさんとクースーさんの演奏を観に来ているということで、アウェイ感は否めません。

しかし、やるしかありません。ワタシの名前を覚えていただけるチャンスです。

今回なんと皆様で出囃子を演奏してくださるというサプライズもあり嬉しい限りでございますがリハーサルの結果、入りの出囃子が終わった後も、退場の出囃子までそのまま舞台で噺が終わるまで待っているというなかなかシュールな演出に決定。

様々な楽器を持ったミュージシャンの方々が、落語の舞台でじっとひたすら待っているというあまりないシチュエーション、噺の内容とは別にかなり面白い画だったと思うのですが写真がないのでワタクシ自身は想像するのみです。

 

今回は開口一番ということで、ワタシはあくまでおまけ。

あまり長い噺だといけませんので何が良いかと色々考えておりましたら見つけました。

 

志ん生師匠の演じる「後生鰻」。

 

これまで志ん生師匠は聴いたことがなかったのですが、面白い。

youtubeで見てみると、この噺をやってる方が少なく、歌丸師匠か桂文珍師匠。

聴き比べると志ん生師匠が一番好みだったので志ん生師匠を参考にしました。

 

ワタシはすごい面白いなあと思って、でもあまり演じる人が少ないのでどうしてかと調べてみるとなんとなく理解しました。

 

ブラックジョークが過ぎる、ということじゃないかと。

 

あらすじは、

 

信心深いご隠居さんが鰻屋の前を通ると、鰻屋の親方が今にも鰻に錐を打とうとしている。

ご隠居さんが殺生を見過ごすわけにはいかないということでその鰻を2円で買い、前の川へ逃がしてあげる。「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、いい功徳をした。」

 

次の日通るとまた鰻を裂こうとしている。

ご隠居さん、再びその鰻を2円で買い、前の川へぼちゃーん。

「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、いい功徳をした。」

 

次の日通ると、今度はすっぽんの血を取ろうと首を切るところ。

またまたご隠居さんが殺生を見逃すわけにはいかないのでそのすっぽんを8円で買い、前の川へぼちゃーん。

「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、いい功徳をした。」

 

その調子で毎日ご隠居さんが買って逃がしてくれるので、調子に乗った鰻屋は毎日毎日ご隠居さんに鰻は2円で、すっぽんは8円で売りつける。

 

しかし、しばらくするとご隠居さんがぱったり来なくなる。

病気でもしたかと心配してたら久しぶりに向こうからこっちへ向かって歩いてくる。

喜んだ鰻屋の親方、おかみさんに向かって鰻を出せと叫ぶが、買い出しに行ってないので鰻はない。

生きてりゃなんでもいいからと言っても、どじょうはお味噌汁の具にしちゃったし、金魚は死んじゃった。ねずみなんて捕まえられない。

あー、もう来ちゃうよせっかくの銭儲けなのに!

困った挙句、「赤ん坊出せ!」

 

赤ん坊を割き台に乗せる鰻屋。

それを見たご隠居が怒る。「どうすんだ、赤ん坊を!」

鰻屋の親方、もちろんその気はないが銭儲けだ。「蒲焼にするんですよ、客の注文で。」

ご隠居「いくらだ!」

鰻屋「100円です。」

赤ん坊を助けたご隠居、「もう二度とあんな奴に捕まるんじゃないぞ。」

前の川へぼちゃーん。

 

どうでしょう?確かにブラックはブラック。

でも話の構成が非常にシンプル、ゆえにムダがない。

爆笑とかじゃなくて、「あーあ。」みたいな、「やっちゃったなご隠居。」みたいな。

ご隠居がめっちゃ良い人であるがゆえに出てくる可笑しみが、ワタシとしては最高に面白くて落語の面白さってこういうものじゃないかなあと思うんですけどね。

これを聴いて、「赤ちゃんにそんなことするなんてひどい!」とか、「真似する奴が出てきたらどうする!」とかになるんでしょうか。

屋上でサックス吹いてる学生に冗談でぶつかるってCMに「あぶない!」とか「楽器を大切にしろ!」とかで中止にさせる世の中ですからねえ。

いつも思うのは、こういうCMとかは叩かれるけど、残酷なシーンの多い2時間ドラマとか映画はなぜ許されるのでしょうか。

CMの場合は不意に流れるもので、見る見ないを選択できないから、なんでしょうか。

よくわかりませんが、現実と演出の区別が出来ない世の中ってなんだか息苦しい。

 

で、この「後生鰻」ですが、歌丸師匠や文珍師匠は赤ん坊ではなくおかみさんで演じております。

どちらがオリジナルなのかはよくわかりませんが、なんとなくおかみさんだと受け入れられる気がしますね。

まあワタシはこの「後生鰻」、すんごい好きなのでこれから定番として持っておきたいなあと思っております。

やっぱり落語って面白い。

 

6月4日のリチルさんでの落語は定員に達しました。

その次は名古屋のストアーインファクトリーさんで6月19日の予定です。

ぜひぜひ。

 

 

 

 

 

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