落語の台本。志の輔師匠の「風呂敷」です。

先週の土曜日は、なやばし夜イチさんにて落語でした。

日本酒祭りということで、桜の木の下、皆さまお酒を手に楽しんでおられました。

ワタクシはお店の営業が狩猟してから駆けつけて、20時頃に出番。

知った顔が何人かいらして、アウェイなワタシも強かったですな。

 

今回は志の輔師匠のものを参考にした「風呂敷」を。

この演目は2回目ですが、前回はあまり覚える時間がなかったものですからちょっと荒さがありましたので、今回はリベンジという心持ちもありつつの高座です。

途中で今までにないくらいに噺が飛んじゃって頭が一瞬真っ白になったんですが、「ここで止めてはいけない!」という思いでなんとかかんとか噺を繋ぎつつ、その間に噺を元に戻すという、我ながらなかなか見事な修正ができたと思います。

こんなこともありましたが、全体的には今までで一番良かったと言ってくれる方もおりましたので、少しづつではありますが上達できているのかなあと思っております。

 

そんな訳で、またもや落語をやってみたいという方のためにワタクシの文字起こしをした「風呂敷」立川志の輔師匠ヴァージョンをこちらに。

今回の「まくら」も添えて・・・・

 

 

「風呂敷」 立川志の輔

皆様こんばんわ。一人でもトリオの大橋亭トリオでございます。

えー、そんなわけで文春砲がまたまた炸裂したようでね。小室哲也さん、キョンキョンときて高橋由美子さん、で再び山尾しおり議員と。

まあはっきり言ってどうでもいいですな。芸能人も不倫がどうのってのは。常識とか非常識とかってことじゃないんです。ね。

だってね、不倫が非常識だなんて言ったってね、芸能なんて商売がそもそも非常識ですよ。ねえ。芸能人になろうなんて人に常識語ったってそんなのも、え?天気に向かって、『雨なんか降らせやがって!今日は夜イチだぞ!』なんて文句いうようなもんですよ。聞いてます?

政治家だっておんなじです。政策をきちっとやってればいいんですよ、プライベートなにしてようと。ただ山尾氏の場合は違います。あの方与党議員の方が不倫した時に先頭に立って非難してましたからね。自分はいいけど人は駄目、という姿勢だから批判されるわけですよ。

まあね、いつからこういうふうになったかっていうと明治以降だそうですな。西洋文化とともにキリスト教が入ってきてね、貞操という観念が生まれたそうです。それまで日本人は割りと性には自由だったそうですよ。愛、という概念もキリスト教からだそうですからね。んん、でもまあ自由たって堂々と浮気してもよいってわけではなかったそうですけどね。。浮気するときは専ら亭主が留守の間に男を呼んで、みたいなね。山尾議員もね、ホテルとかじゃなかったそうですね。相手の自宅。なんでかって聞いたら、誰かに見つかった時に、『仕事の話をしてたんですよ』と言えるから、らしいですねえ。そりゃあ確かにホテルだなんだだと言い訳になりませんからね。

まあそんなわけで、昔も今も、いろんな工夫をしながら、あの手この手を凝らして、ということなんでしょうけどね・・・・

「もう兄さんお願いしますよ助けてくださいなねお願いですも大変なんですよ助けてくださいお願でございます大変なんですから!」

「うるさいななお前ははいってくるそうそうまあ。ええ?どうしてそうけたたましくはいってくるの?仮にもおまえは女だよ。もうちょっとこうおしとやかに入ってきたらどうなんだ。後ろを見てみな後ろを。お前の脱いだ下駄を。片方はかろうじて玄関に入ってるけど、もう片方は道の真ん中にあるじゃねえか。どういう歩幅だお前の歩幅は。お前のようなやつを出したいね。次のアトランタの三段跳びに。」

「ええ大変なんですもん兄さん!」

「わかってるよんなことは大変大変て。いつものように犬も食わない夫婦喧嘩なんだろ。」

「いやそうじゃありませんよ。そらね、確かにいつもは犬も食わない夫婦喧嘩ですよ。でも今日のはちょっと違うと思うんです。ええ。今日はちょっと犬は考えると思いますよ。ちょっとだけでも食べてみようかなと思うような、そういう揉め事なんですよ。」

「変なこというねえ。なんだい?」

「実はね、うちの人が今朝ちょっと仲間の寄り合いがあるからというので早くに横浜に出かけたんです。でね、横浜でもって帰りが遅くなるだろうからおまえ先に寝てていいよって言われたんであたし夕方時分から湯う行ってねえ、ゆうっくりうちでお茶飲んでたんです。そしたらそこへねえ、あのう、新さんが訪ねてきたんです、うちの人。」

「ええ?あの色男の新公が。でどうしたんだい?」

「でね、いないとわかったら帰るってそう言うから、せっかく来たんだからお茶くらい飲んでったらというんでふたりっきりでお茶飲んでたんですよ。そしたらさっきの夕立でしょお、あたしもうねえ、せっかく綺麗にした玄関吹き込まれるの嫌だったもんですから戸お閉めましてね、上がり直そうとした時にうちの人が、どんどんどんどんどーん、俺だあ、今帰ったあ、て酔っ払って帰ってくるじゃありませんかあ、、もうあたし驚いちゃってえ。」

「おいよせおいい。亭主が帰ってきたんだろ?亭主が帰ってきて驚いてた日にゃ生涯驚いてなくちゃならねえぞ。」

「だってえ、遅くなる遅くなると言ってた亭主が早く帰ってきたんですから驚くじゃありませんかあ。」

「またおめえは訳のわかんねえこと言うなあおい。遅くなる遅くなると言ってた亭主が早く帰ってきたら喜べよおまえ。驚くというのは、ちょっと行ってくるぜと言って3年帰らないのを驚くというんだおまえ。」

「だって兄さん分かってんじゃありませんかあもううちの人のヤキモチ妬きい。もうそんじゃそこらのヤキモチ妬きじゃありませんよもう、もうあたしがちょっと男の人と立ち話してるだけだってかあっと怒っちゃいますしねえ。隣の犬がポチがオスだってだけで、頭なでて3日口きいてもらえないのよお。そういう人なのよお。そういう人がよ、うちにあの色男の新さんを置いてふたりっきりで戸を閉めてお茶を飲んでたなんてことがわかったら、なにもありゃしませんよ、なにもありゃしませんけどね、どんな、目にあうかわかんないと思ってあたしもう、すぐにね新さんを押し入れに隠して、それでうちの人を入れて、でうちの人を寝かしてから新さんを押入れからそうっと逃がそうと思ってたらまたうちの人がその押し入れの前にあぐらかいて寝ないのよお、新さんだって生き物ですよお、中で酸欠状態になったら困っちゃいますしねえ、それにあくびもすりゃおならもしますう、それにだんだんお腹がすいてくるでしょう?お腹がすいてなにか作りたいと思ったってうちの押入れ台所がないのよお。」

「くだらないこと言うなおみゃあ、ええ、でどうしたんだい?」

「すぐにお酒を買ってくるからと言うのでとりあえずうちを飛び出してきて兄さんのところにきたんですけど、お願いしますよお、新さん助けてあげてくださいな、ねえなんとかしてくださいなあ。」

「うるせいなほんとにまあ。ええ。だからおまえは浅はかだってんだい。」

「ええ、ここ麹町ですよお。」

「誰が赤坂だって言ったんだこのバカ野郎おまえええ?浅はかだ、いいか、お前がそのつもりでいても、なんの疑いのないことをしているつもりでも周りから見るってえと人はどう思っているかわからないってことがわからないのかい。李下に冠を正さず瓜田に靴を入れずってな。」

「へえ、なんの呪文です?」

「呪文じゃねえや。ままとにかくそういうことだ。梨畑でもってなんかこう被り物を直してるつもりでも遠くから見ると梨を盗んでいるように見えるってんだい。李下に冠をかぶらず。わからないかなあつまりこういうことだ。な。ええ湯船で体を揺すらず、酔って電柱の前に留まらずってんだ」

「なんですそれ?」

「だからな、熱い湯船の中に入ってちょっと自分は体をこう動かしただけのつもりでも外から見てるとあ、あいつはお湯の中でおしっこをしたなとこう思われるということだ。ん、酔って電柱の前で佇んでいるだけでもおまわりさんが見るとあれは立ちションベンをしたあとじゃないかと思うというような、そういう自分がしたことと周りは違うって、まま、どうでもいいよ、そんなことお前と話したって。わかったよ。ええ、で?酒を買ってくるってでてきたのか。わかったわかったそれだったらな、とにかくあの、先帰ってな。」

「先帰ってなってねえお兄さん一緒に行ってくださいな。」

「一緒にいってくださいなって一緒に行けるわきゃねえだろこのバカ野郎。一緒にいきゃあおまえ必ず向こうで言われるよ。なんだって、もってふたありで来るんだ、おまえたちまたなんかできてんじゃねえかなんだかんだいろんなこと言われるから。いいからお前が先に行ってな。後から俺が何とかするから。」

「ほんとですね。お願いしますね。お願いします。お願いします。」

「やめろ、その手をついて頭を下げるのは。毎回来るたんびに同じとこに手えつくから見ろおまえ。畳が手形の分だけへこんじゃったあ。この前そこで躓いたおれはバカ野郎。ほんとにまあ、いい分かった行ってろ行ってろ行ってろってんだ!たくまあしょうがねえなあ人をなんだと思ってやがんのかねえ。困ることがあるってええとすぐ俺んとこ来やがる。まあいいやな。今日のところはこの風呂敷でなんとかするか。んん。ええー、おお、四、五間前からまあ大きな声が聞こえるよ、だいぶ酔ってやがんなあのやろうほんとにまあ。お、ちくしょう、手あげてやがん、おい、よせ!おい!やめろやめろ1おい、やめろ!やめろってんだ、殴ったりするんじゃあないってんだ!」

「絵rfjpv35tkpうぇllfc「pdwlfc、dlfv。エェ。えf、lf・4d!」

「おい何人だオメエはよお!なんなんだおめえは!」

「jgおprwロkp、わおわお、源さん、源さんかいやいや、聞いてくれ聞いてくれ、聞いてくれたら俺の怒るのもわからないではないよ。んん、いやおれあね、今日ねえ、これほどうちの女房がわけのわからない女だと思ったことはないよ。」

「ほおん。どうしたんだい。」

「俺ね、ちょっと横浜の方まで仲間の寄り合いがあっから行ったんだ。思ったより早く終わって一杯引っ掛けてけえってきた。もう夕暮れ時分だってのに戸がしまってやん。どんどんどんどん今けえったぞと中に知らせたら、うちのかかあが戸を開けて、まるで俺を親の敵をでもみるような顔で、ああたあ、ずいぶん早かったわねえ、早かったからもう寝ましょう。こんなこと言う。これはどこの国の言葉だ。遅かったからもう寝ましょうってならわかる、早かったからもう寝ましょう、こんなわけのわからない女ってんで俺は急に機嫌が悪くなっちゃってさっきからずっと飲み続けてんだ。」

「ああそうか。そらまあええ?おめえの機嫌が斜めになんのもわからなくはねえな。」

「ああん、で、源さん、どこ行ってたの?」

「俺かい?俺はちょいとな、友達の揉め事があったんでそれをまあ収めて帰ろうと思っておめえのうちの前通ったらおめえがでかい声出してやがるから、ええ?っこんなことやってるからこらいけねえなって思って中に入って止めに入ったってところだい。」

「ああん、揉め事お?ふうん、お、面白いね、ど、ど、どういう揉め事?」

「いいよんなこた。たいしたことねえよから。」

「そんなこと言わないで、人の揉め事ほど面白いものはない。教えてもらいたいどどどどういう揉め事?」

「しつこいねえ飲んでるとほんとにまあ、ええ?いやおれの友達がよお、今日ちょいと仲間の寄り合いがあるからってんで朝早くにな、横浜の方に出掛けたんだよ。」

「ええ?似たような話だなあ。」

「おお、そういやそうだな。でまあ、遅くなるから先に寝てて構わねえぞって言われたんでカミさんがゆっくりまあ湯でも行ってほいでもってまあ茶あ飲んでた。そこへな、まあ、友達というか、色男というか、ちょいと若いのが訪ねてきたんだ、その亭主を。ところが亭主が留守だってんで帰ろうとするとまあ、いいじゃありませんかお茶の一杯もというんでふたありで茶あ飲んでるときに夕立だ。しょうがないもんだから玄関をしめてまた上がりなおそうとした時にそこの亭主が酔っ払って帰ってきたってんだよ。」

「おお?そらまずいなそらはなあ。おお、でどうしたんだい?」

「大変なヤキモチ妬きのその亭主にな、そらもう見つかっちゃいけないというのでその色男をまあ押入れの中に隠して、そいでもって亭主を中に入れて寝かせようと思ったらその亭主がまた押入れの真ん前にあぐらあかいてうだうだいって、寝ねえってんだよ。」

「たちのよくねえ野郎だな。はああん。で、どうしたの?」

「おう、だからそれをちょいと逃がして、おお、帰ってきた、その帰り道だてんだ。」

「あり。それ逃がしたの?押し入れにいtれその前に男がいて、っすごいねおもしろいね。ど、どうやって逃がしたの?ねえ?だって聞きたいじゃねえかなあ!」

「そんなこたどうでもいいからよお、おれに一杯飲ませてくれよ。」

「いやいやあちょちょいとさあそれ聞かせてくれたら飲ませてやるからちょいと聞かせてもらいてえな。」

「たくまあ酔ってるとなんだか訳わからねえなあ。ええ?聞きてえの?話しゃあいいの?飲ませてくれんの?わかったわかったじゃあな、ま、早い話が、この、風呂敷いちめえだ。これを、こう、だあああっと広げたと、この一枚でもってなんとかしてきたんだ。」

「へえ、その風呂敷一枚でなんとかなったの。へええ。どどどどどういう具合に?どういう具合に?」

「ったくしょうがねえな、この風呂敷をな、じゃ仮におまえを亭主としようや。な、そいで亭主の頭にたああとこう被せたんだ。被せて四隅をこうもってだな、でここを首のところでもって、こ、こう結わえた、んん、な、見えねえだろ?見えねえだろ?そうそうそうそうそいつも見えないってそう言ってた。んん、でな、見えないてのを確認しておいて、おれは後ろの押入れの戸を、すうっと開けて中を見るってえと、その色男が中でぶるぶるぶるぶる震えてやんの、おおん・・・出ろよ。出ろよ!早く出ろってんだ!とまあこう言ってやったんだおれあなあ、んんんん。そしたらまあ這いながら出て行くんだ、んん、忘れ物はねえのか。忘れ物はねえのかってんだよ。忘れ物があると大変だから言ってんじゃねえか。ねえのか?ねえならいいや。とまあこう言ってやったんだ俺がな、んんんん、と忘れ物はねえようなんだなあ、んん、いいよ、下駄なんぞ履いてる場合じゃねえやな、手で持て手で、ちぇ、この最中に下駄なんぞ履いてる場合か、いいよ、わかった挨拶なんぞどうでもいいからおお、そうすうっと戸を開けて、そうそうそう、開けて、いいよ挨拶なんか後でいいってんだ、うん、そうそうぴたっと閉めてけよ、ぴたっと閉めたな。よし。と、まあ、向こうが出たのを確認をしてからこの風呂敷をすっと解いて、ぱああっと取ったと。ま、こういうわけなんだ。」

「うめえことやりやがったなおいい。ほら驚いたなおい。それに源さんおめえの話はうめえや。おらこうねえ、あたかもその男が通ってくような気がしたあ、おおお。それに空耳かなんだか戸が開いて締まるような音まできこえた。源さんお前さん話がうめえやそうかいたいした知恵じゃねえかなあ、でも大した知恵だったってそれぐれえのことで隠れてた男を逃がされるような亭主のツラがみてえや。」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です